
非接触水栓・自動水栓の設計ガイド|施設向け選定基準・電源方式・感染対策と省エネ効果を解説
施設向けの非接触水栓・自動水栓を、仕組みと種類、電源方式(電池式・電源式・自己発電式)、選定のポイント、感染対策・省エネ効果、メンテナンスの注意点まで給排水衛生設備設計の実務目線で解説します。衛生器具設備の設計ガイドや給水管径の決定方法とあわせてご覧ください。
非接触水栓(自動水栓)は、センサーが手を検知して自動的に吐水・止水する水栓です。ハンドルに触れずに使えるため衛生的で、出しっ放しを防ぐ省水効果もあります。本記事では、仕組みと種類、電源方式、施設向けの選定ポイント、感染対策・省エネ効果、メンテナンスの注意点を給排水衛生設備設計の実務目線で整理します。
非接触水栓とは|仕組み
非接触水栓は、赤外線センサーなどで手の有無を検知し、電磁弁を開閉して吐水・止水を制御します。手をかざすときだけ水が出るため、使用後の止め忘れがなく、接触による汚れの付着も抑えられます。洗面所やトイレの手洗い、厨房など、衛生性が重視される場面で採用が進んでいます。
電源方式の種類と選び方
- 電池式:電源工事が不要で後付けしやすいが、電池交換の手間がかかる。少数・改修向き。
- 電源式(AC):電池交換が不要で安定しているが、電源配線工事が必要。器具数の多い施設向き。
- 自己発電式:吐水の水流で発電し、電池交換も電源工事も不要とするタイプ。採用前に適用条件を確認する。
器具数が多い施設では、電池交換の保守負担が大きくなるため、電源式や自己発電式が有利な場合があります。新築・改修の区別や電源の有無に応じて選定します。
選定のポイント
設置場面(洗面・キッチン・トイレ手洗い)、吐水量・温度調整の有無、電源方式、センサーの検知範囲、清掃のしやすさなどを総合的に検討します。公共トイレなど使用頻度の高い場所では、耐久性と保守性を重視します。
感染対策と衛生性
非接触化により、水栓ハンドルを介した接触感染のリスクを下げられます。病院・高齢者施設・食品を扱う施設など、衛生管理が重要な用途では導入効果が大きいです。ただし、水の滞留による水質への影響など、別の衛生面の配慮も必要に応じて検討します。
省エネ・節水効果
手をかざすときだけ吐水し、自動で止水するため、出しっ放しや止め忘れによる無駄な水使用を抑えられます。手動水栓と比べて水使用量の削減が期待でき、省エネ・節水の観点からも有効です。
メンテナンス上の注意
センサー・電磁弁・電池などの可動部・電気部品があるため、手動水栓よりも故障・保守の視点が必要です。電池交換やフィルタの手入れ、センサーの誤作動対応などを見越し、保守がしやすい器具選定と配置とします。
設計チェックリスト
- 設置場面と使用頻度に合った器具を選んだか
- 電源方式(電池式・電源式・自己発電式)を新築・改修に応じて選定したか
- 電源式の場合、電源配線・コンセント計画と整合しているか
- 感染対策・衛生性の要求に合った採用としたか
- 電池交換・保守がしやすい器具・配置としたか
非接触水栓は、衛生性・省水というメリットを持ちつつ、電源方式と保守性を施設に合わせて選定することがポイントです。器具全体の考え方は「衛生器具設備の設計ガイド」、給水量の算定は「給水管径の決定方法ガイド」とあわせてご覧ください。