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必要換気量の計算方法|CO2基準・換気回数・火気使用室の求め方を解説
設備設計ナレッジ空調設備

必要換気量の計算方法|CO2基準・換気回数・火気使用室の求め方を解説

必要換気量の計算方法を、CO2濃度基準による算定、換気回数法、居室・火気使用室の考え方、機械換気3方式と給排気バランス、実務フローと注意点まで、建築設備設計の実務目線で解説します。換気設備の法的要件の記事とあわせてご覧ください。

長谷川一夫

機械設備設計部

公開日
更新日

必要換気量は、居室の空気質を保つために外気とどれだけ入れ替えるかを決める、換気・空調設計の出発点です。法的要件の記事では設置義務や方式を扱いましたが、本記事では「実際に何m3/hが必要か」を求める計算方法に絞り、CO2濃度基準・換気回数法・居室や火気使用室の考え方、機械換気とのバランスまでを実務目線で整理します。

必要換気量とは|換気の目的

必要換気量とは、在室者の呼吸によるCO2、臭気、燃焼廃ガス、化学物質などの汚染を許容濃度以下に保つために必要な外気量です。汚染源の種類によって支配的な要因が変わるため、対象室の用途に応じて適切な算定法を選びます。過大な換気量は熱負荷とファン動力の増加を招くため、根拠を明確にして適正値を求めることが重要です。

CO2濃度基準による算定

人が主な汚染源となる居室では、CO2濃度を指標に必要換気量を求めます。必要換気量は「在室者のCO2発生量÷(室内許容CO2濃度−外気CO2濃度)」で計算します。建築物衛生法の室内許容濃度1000ppm、外気濃度およそ400ppmを用いると、成人の安静時発生量からおおむね1人あたり30m3/h程度が目安になります。作業強度が高いほどCO2発生量が増え、必要換気量も大きくなります。

換気回数法と居室の必要換気量

  • 換気回数法:必要換気量=室気積×換気回数。室用途ごとの推奨換気回数を用いる簡便法で、初期検討に向く。
  • 居室の機械換気:建築基準法施行令の規定により、居室では在室人数を基準とした有効換気量(1人あたりおおむね20m3/h相当)が求められる。
  • シックハウス対策:住宅の居室は0.5回/h、その他の居室は0.3回/hの常時換気が原則。建材からの化学物質対策として床面積・気積から算定する。

火気使用室の必要換気量

厨房や湯沸室など火気を使用する室では、燃焼廃ガスの排出のために別途大きな換気量が必要です。建築基準法施行令の規定により、必要換気量は理論廃ガス量と燃料消費量、および排気フードの形式(フードの有無・種類)に応じた係数から求めます。フードで捕集するほど係数が小さくなり、必要換気量を抑えられます。給気経路の確保を忘れると排気が効かないため、給排気を一体で計画します。

機械換気3方式と給排気バランス

求めた必要換気量は、第1種(給気・排気とも機械)、第2種(給気機械・排気自然)、第3種(給気自然・排気機械)のいずれかで実現します。室の正圧・負圧の管理が重要で、たとえば厨房やトイレは負圧、クリーンルームや手術室は正圧に保ちます。給気量と排気量の差(オフセット)を意図どおりに設定し、隣室への汚染流れや扉の開閉抵抗を防ぎます。

計算の実務フローと注意点

  • 室用途から支配的な汚染源を判定し、CO2基準・換気回数・法令要件の中から算定法を選ぶ。
  • 複数の基準が該当する場合は、いずれか大きい値(安全側)を採用する。
  • 外気負荷(顕熱・潜熱)に直結するため、必要以上に大きく取らないよう根拠を明確にする。

設計チェックリスト

  • 室用途ごとに算定根拠(CO2・換気回数・法令)を整理したか
  • 火気使用室の必要換気量と給気経路を確保したか
  • 機械換気方式と給排気バランス(正圧・負圧)を設定したか
  • 必要換気量を外気負荷とファン動力の観点で過大にしていないか

必要換気量は法令要件と外気処理の両面に関わります。設置義務や方式の詳細は換気設備の法的要件を、算定した外気量の負荷低減や全熱交換器の使い方は外気処理と全熱交換器の選定をあわせてご覧ください。