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阻集器の種類と選定ガイド|グリース・オイル・砂阻集器の設置基準・容量算定・維持管理を設計目線で解説
設備設計ナレッジ衛生設備

阻集器の種類と選定ガイド|グリース・オイル・砂阻集器の設置基準・容量算定・維持管理を設計目線で解説

阻集器(グリース阻集器・オイル阻集器・砂阻集器・毛髪阻集器など)の役割と種類、設置が必要となる排水、容量算定の考え方、封水・通気・維持管理の注意点を給排水衛生設備設計の実務目線で解説します。汚水と雑排水の分離設計や排水通気方式の設計入門とあわせてご覧ください。

長谷川一夫

機械設備設計部

公開日
更新日

阻集器(そしゅうき)は、排水に含まれる油分・土砂・毛髪など、そのまま下水道や排水管に流すと支障のある物質を分離・捕集し、配管の閉塞や下水道への悪影響を防ぐための器具です。本記事では、代表的な阻集器の種類と選定の考え方、容量算定、設置・維持管理上の注意点を給排水衛生設備設計の実務目線で整理します。

阻集器とは|役割と基本原理

阻集器は、排水を一旦溜めて流速を落とし、比重差や沈降によって油・土砂・異物を分離します。油分は水より軽いため上部に浮上して滞留し、土砂などの重い異物は底部に沈殿します。分離された上澄みのみを排水側へ流すことで、配管の閉塞や下水道への負荷を抑えます。排水の性質に応じて適切な種類を選びます。

代表的な阻集器の種類

  • グリース阻集器(グリストラップ):厨房排水の油脂・厨芥を分離。飲食店・給食施設・食品工場などの厨房に必須。
  • オイル阻集器:ガソリン・鉱油など揮発性油を分離。駐車場・洗車場・整備工場などで使用し、引火防止の観点も重要。
  • 砂阻集器:土砂・セメント・金属粉などの重い異物を沈殿分離。工場・工事現場・土砂を扱う施設で使用。
  • 毛髪阻集器:浴場・プール・美容院などで毛髪を捕集し、配管の閉塞を防ぐ。
  • その他:プラスタ阻集器(石膏)・澱粉阻集器など、用途に応じた専用品がある。

設置が必要となる排水の考え方

油脂・揮発性油・土砂・有害物質など、そのまま排水すると配管・下水道・公共水域に支障を与えるおそれのある排水には、適切な阻集器の設置が求められます。具体的な基準は自治体の下水道条例・排水設備基準によって定められるため、計画地の規定を確認します。油脂を扱う厨房や、油・土砂を扱う区画がある場合は、設計初期から阻集器の位置とスペースを見込んでおきます。

容量算定の考え方

グリース阻集器では、厨房機器の排水量や排水流量、滞留時間・グリース保持量・堆泥保持量などから必要容量を算定します。容量が小さすぎると油分を十分に分離できず、清掃頻度も増えます。逆に過大だとスペースとコストの無駄になるため、機器メーカーの算定基準や関係団体の標準を参照しつつ、用途に合った容量を選定します。

封水・通気と接続上の注意

阻集器には臭気の逆流を防ぐ封水が必要です。阻集器の下流側にトラップを重複して設ける二重トラップは排水不良の原因になるため避けます。また、阻集器は原則として屋内の器具と公共下水道の間に設け、点検・清掃がしやすい位置とすることが大切です。通気・排水系統との関係は「排水通気方式の設計入門」もあわせてご確認ください。

維持管理を見越した設計

阻集器は定期的な除去・清掃が前提の器具です。清掃スペースや搬入動線、フタの開閉スペースを確保し、排出物の回収・処理方法も含めて設計します。清掃がしにくい位置に置くと放置され、機能低下や臭気・閉塞の原因になります。

設計チェックリスト

  • 排水の性質(油脂・揮発性油・土砂・毛髪等)に合った阻集器を選んだか
  • 自治体の下水道条例・排水設備基準の設置規定を確認したか
  • 排水量・用途に合った容量を算定したか
  • 二重トラップを避け、封水・通気を適正に計画したか
  • 清掃・点検・搬出しがしやすい位置・スペースを確保したか

阻集器は、排水の性質に合った種類・容量の選定と、維持管理を見越した配置がポイントです。排水の分離設計は「汚水と雑排水の分離設計ガイド」、通気の基礎は「排水通気方式の設計入門」とあわせてご覧ください。