排水管径と勾配の決め方|排水負荷単位法・流速・配管ルート計画の実務
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排水管径と勾配の決め方|器具排水負荷単位・管径別基準・計算例

排水管径と勾配を決める手順を、器具排水負荷単位、横枝管・立管の使い分け、管径別の勾配表から解説。洗面器の管径選定と必要落差の計算例、屋内・屋外基準の違い、通気や掃除口の確認点をまとめます。

長

長谷川一夫

機械設備設計部

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更新日

排水管径は、接続する器具の負荷を集計し、横枝管・立管・横主管それぞれに対応する許容負荷表から選びます。そのうえで、採用基準の勾配を確保できるかを断面図で検証します。管径だけを太くしても、勾配不足や通気不足は解決しません。

排水負荷単位とは|給水の負荷単位と区別する

器具排水負荷単位(DFU)は、器具の排水量や使用の特性を考慮して配管負荷を評価するための指標です。器具数に対応する値を掛け、区間ごとに累計します。給水器具負荷単位とは別の表を使います。

DFUの合計はL/sの流量そのものではありません。負荷単位を一定の流量に単純換算して管径を決めず、採用した設計法の許容負荷表を使います。同じ便器でも洗浄弁式とタンク式などで値が異なるため、器具名称だけで集計しないことが大切です。

管径を決める5つの手順

  1. 排水の種類、放流先、使用する設計基準を確定する。
  2. 器具の方式・口径・負荷単位を器具一覧に記入する。
  3. 系統図を区間に分け、上流からの接続負荷を合計する。
  4. 横枝管・立管・横主管に対応する表で管径を選定する。
  5. 勾配、通気、掃除口、管底高さを平面図と断面図に反映する。

配管は原則として流下方向へ不用意に縮径しません。排水立管も、下階へ行くたびに段階的に太くすればよいわけではなく、採用基準に従って負荷に必要な管径を全長にわたり確保します。枝管の許容負荷を立管の表で判定しないよう、計算書に管の区分を残してください。

排水横管の管径別勾配表と適用範囲

次は東広島市の屋内排水設備資料に示される標準勾配を整理したものです。屋内の排水横管の参考表であり、屋外の排水管や雨水管を含む全国一律の法定勾配ではありません。計画地域の最新版と工事仕様を優先します。

管径

勾配

水平距離1m当たりの落差

65mm以下

1/50以上

20mm以上

75・100mm

1/100以上

10mm以上

125mm

1/150以上

約6.7mm以上

150mm以上

1/200以上

5mm以上

例えば横浜市の屋外排水管は、条例等に基づく別の口径・勾配条件で扱います。屋内の100mm・1/100という値を、そのまま敷地内の屋外排水管へ適用することはできません。

洗面器4台の管径と必要落差の計算例

長崎市の排水設備指針にある算定方法を例に、洗面器1台を負荷単位1として4台を接続すると、合計は4です。同資料の排水横枝管の表で50mmの許容負荷単位6と比較し、4≦6として50mmを選ぶ例が示されています。採用する表・器具条件が同じ場合の例であり、すべての現場への固定仕様ではありません。

この管を勾配1/50、水平距離8mで計画すると、必要落差は次のとおりです。

8m ÷ 50 = 0.16m = 160mm

管外径、支持金物、施工余裕まで含めて天井内に納まるか確認します。100mmの横管を勾配1/100で12m配管する別の例なら、必要落差は120mmです。起点と終点の管底高さは配管図面の読み方の手順で照合できます。

勾配が取れないときの対処と通気計画

勾配不足が判明したら、器具位置・シャフト位置・配管距離・床段差・放流先高さを見直します。構造躯体を無断で貫通したり、増径だけで解決したことにしたりせず、建築・構造・設備で断面を調整します。自然流下が成立しなければ排水槽・ポンプ方式も含めて再検討します。

管径が十分でも、立管内の圧力変動や自己サイホンでトラップの封水が失われることがあります。排水通気方式と組み合わせ、通気の接続位置と屋外開口位置を確認します。掃除口は詰まりの除去作業ができる位置とし、点検口を開ければ工具を操作できるかまで検討してください。

設計図書に残す確認項目

  • 器具表・負荷集計表・選定表の出典と版が一致している。
  • 排水区分と放流先を確認し、必要な阻集器を経由している。
  • 各区間の管径・勾配・管底高さを記載している。
  • 通気、掃除口、梁との干渉、区画貫通を確認している。

排水区分の判断は汚水・雑排水・雨水の分離設計も参照してください。管径計算とルート計画を同時に進めると、実施設計後半の大きな変更を抑えられます。

参考:東広島市「屋内排水設備」、長崎市「排水設備指針」、横浜市「排水設備要覧」。