Navisworksで設備の干渉チェックを実務運用する|エディション選定と粒度の使い分け
CAD/BIMナレッジ調整・連携

Navisworksの設備干渉チェック手順|テスト設定から修正・再確認まで

Navisworks Manageで設備の干渉を確認する流れを解説。対象モデル、選択セット、検出条件、指摘の分類、担当割当、修正後の再テストまで実務の手順を整理します。

長

長谷川一夫

機械設備設計部

公開日
更新日

Navisworksで設備の干渉を確認するときは、検出件数を出すだけでなく、設計者が判断し、担当者が修正し、再確認できる状態にすることが重要です。最初に対象モデルとテスト条件を決めておくと、更新のたびに同じ基準で確認できます。

自動的な干渉検出に使うClash DetectiveはNavisworks Manageの機能です。閲覧用環境や別エディションにも同じ機能があるとは考えず、利用する製品と版を確認してください。

実行前にそろえるデータ

  • 意匠・構造・設備モデルのファイル名、版、更新日。
  • 共通の座標、階、基準点と、統合時の位置確認方法。
  • 対象とする分野・工区・階と、除外する範囲。
  • 設備本体、保温、点検空間など何が表現されているか。
  • 修正担当、回答期限、結果の保管先。

モデルを統合したら、既知の通り芯や断面で位置を確認します。全体がずれたままテストを実行すると、実際の設計課題とは無関係の結果が大量に出ます。座標を直す場合は作成者と原因を確認し、次の更新にも適用できる方法を決めてください。

テストは目的別に分ける

テスト例

対象A・対象B

確認する目的

主要構造と幹線設備

梁・柱とダクト・配管等

主要ルートが構造とぶつからないか

設備相互

空調と衛生、設備と電気等

同じ空間を競合して使っていないか

必要な離隔

設備と周辺部材

計画上必要な空間が確保されているか

保守・交換

明示した保守空間と他の要素

点検や部品交換の妨げがないか

ここで示すのはテスト計画の例です。保守空間がモデル化されていない場合、物理的な部材同士の干渉検出だけでは点検性を判断できません。メーカー条件や設計要求に沿って、確認方法を別途決めます。

Clash Detectiveで設定する流れ

  1. テストを追加する:Clash Detectiveを開き、目的が分かる名前でテストを作る。
  2. 対象を指定する:Selection AとSelection Bに対象要素を設定する。繰り返す場合は選択セットや検索セットの利用を検討する。
  3. 検出条件を決める:物理的な重なりか、必要な離隔の確認かを区別し、テスト種別と許容値を設定する。
  4. 実行して結果を確認する:代表的な結果を開き、意図した対象・条件で検出しているかを点検する。
  5. 分類して担当を割り当てる:判断が必要なものをまとめ、担当とコメントを残す。
  6. 修正後に再実行する:更新モデルに差し替え、同じ条件で解消を確認する。

画面名や配置はバージョン・表示言語で異なる場合があります。操作の詳細は利用版のヘルプを確認してください。設定値は案件ごとに決め、一律の許容値をすべての設備に適用しないことが大切です。

結果をそのまま修正指示にしない

検出結果には、意図した接続、モデルの重複、暫定配置、設計変更が必要なものが混在します。まず原因を分類し、同じ問題から生じた複数の結果をまとめます。結果のグループ化、ステータス変更、担当割当はClash Detectiveで行えます。

分類

次に行うこと

設計調整が必要

影響範囲と代替案を確認し、決定者へ回す

作成・変換の不具合

元モデル、出力、読込のどこで発生したか確認する

意図した接続・許容対象

判断根拠と承認者を記録する

情報不足で判定できない

必要な情報、担当、回答期限を指定する

設計者の確認なしに大量の結果を「承認済み」にすると、未解決事項を見失います。除外ルールを使う場合も、なぜ除外できるかと適用範囲を記録します。

修正指示に必要な情報

指摘には、モデル版、テスト名、部材を特定できる情報、階・位置、問題の画像や視点、必要な対応、担当者、期限を含めます。「ぶつかっているので修正」だけでは、どちらを動かすかや設計上の制約が伝わりません。

構造や他設備を動かす必要がある場合は、当該分野の設計者と調整してください。干渉が消えても、能力、勾配、圧力損失、点検性などの条件を満たさなくなる変更は完了扱いにできません。

再テストと完了の判断

更新後は同じテスト条件を使用し、解消した結果と新しく発生した結果を確認します。単に検出件数が減っただけでなく、対象モデルが欠けていないか、表示・除外条件が変わっていないかも確認します。

完了記録には、解消確認日、モデル版、確認者、残る例外を残します。設計段階ごとの優先順位は設備干渉チェックの進め方、モデル交換はIFC受け渡しの確認、必要な作成範囲は設備BIMのLODと情報の決め方を参照してください。

参考資料

制度・製品情報の確認日:2026年9月26日。実案件では申請先の案内と利用する製品バージョンの資料も確認してください。