
設備BIMテンプレートの作り方|Revitの初期設定・部品・更新ルール
設備BIMのテンプレート整備を、図面、機器表、パラメータ、ファミリ、検証用モデルに分けて解説。RUG資料の活用と、社内標準を更新・配布する手順を紹介します。
設備BIMのテンプレートは、図面の見た目をそろえるだけでなく、必要な情報を同じ場所へ入力し、同じ方法で確認・出力できるようにするための標準です。まず頻繁に使う成果物に必要な設定を整え、試行案件で検証してから広げます。
この記事ではRevitを中心に、テンプレート、ファミリ、共有パラメータを区別し、社内で保守できる最小構成の作り方を整理します。
テンプレートに何を含めるか
整備対象 | 主な内容 | 確認する成果物 |
|---|---|---|
プロジェクトの設定 | 単位、ビュー、シート、表示・印刷のルール | 平面図、断面図、図面枠 |
情報の定義 | 機器番号、系統、仕様などの項目 | タグ、機器表、チェック表 |
ファミリ | 必要な機器、部品、記号、コネクタ | 配置・接続・集計 |
出力ルール | PDF、IFC等の範囲と設定 | 提出用データと受領結果 |
運用資料 | 作成手順、入力責任、更新履歴 | 別担当者が再現できる手順書 |
テンプレートを大きくすること自体を目的にしないでください。使わない部品や過去案件の固有設定を大量に含めると、どれを選ぶべきか分かりにくくなり、保守も難しくなります。
RUGの資料を出発点として確認する
AutodeskのBIM Designでは、RUGが作成した設備テンプレート、設備ファミリ、仕様書、共有パラメータが公開されています。2026年9月26日に確認した一覧には、Revit 2024の設備テンプレートver2.0.1や設備施工テンプレートver2.0などが掲載されています。
公開資料を採用する場合は、対象バージョンと用途、仕様書を確認し、自社の成果物との違いを整理します。設備設計用と施工用の標準を同じものとして扱わず、足す項目と変更する項目を明示してください。公開元の更新を受けられるよう、元の定義と自社変更も区別して記録します。
最小構成で整備する順番
- 成果物を選ぶ:代表的な平面図、断面図、機器表を用意し、必要な表現を確認する。
- ビューと出図をそろえる:縮尺、線、文字、表示、図面枠を整え、PDFで読めるか確認する。
- 情報項目を決める:項目名、意味、単位、データ型、入力担当を整理する。
- タグと集計をつなぐ:入力値が必要な図面と表へ出るよう設定する。
- 部品を絞って用意する:代表機器・配管・ダクト等を使い、配置と接続を試す。
- 交換と更新を試す:相手先で開き、変更版へ差し替えても必要情報が使えるか確認する。
すべてを一度に完成させようとすると、案件で使われない設定まで増えます。試行で繰り返し発生した不足から標準に反映し、例外的な案件条件は個別設定として分けると管理しやすくなります。
パラメータは名前だけで統一しない
同じ「能力」でも、意味や単位が異なれば一つの項目として扱えません。用途ごとに定義し、タイプ共通の情報か配置ごとの情報かも決めます。Revitの共有パラメータは共通の定義ファイルで管理し、各担当者が同名の別定義を作る運用を避けます。
入力値は自動で別のプロジェクトにも入るわけではありません。標準化するのは情報を入れる項目と扱い方であり、案件ごとの設計値は担当者が確認して入力する必要があります。
公開前の検証用モデルを用意する
テスト | 確認内容 |
|---|---|
新規案件の開始 | 必要なビュー、単位、図面枠が用意される |
機器配置・変更 | タイプと個別の値が想定どおり変わる |
接続 | 代表的なダクト・配管等につながる |
タグ・機器表 | 入力値が同じ意味と単位で表示される |
出図・交換 | PDFと相手先モデルで必要な情報が確認できる |
更新 | 旧版の標準から変更した影響を把握できる |
標準を変更するたびに同じテストを行うと、ある図面を直したことで別の集計が崩れるような影響を見つけやすくなります。検証結果と既知の制約を、標準の改訂記録に残してください。
配布と更新のルールを決める
標準の管理者、承認者、保管先、版番号を決めます。作業中の標準と承認済みの標準を区別し、案件開始時に採用版を記録します。更新のたびに進行中の全案件へ無条件で反映すると、図面や入力値に影響が出ることがあるため、適用方法を案件ごとに確認します。
利用者からの要望は、困っている作業、発生頻度、期待する結果を添えて集めます。個人の好みだけで変更を重ねず、繰り返す問題を減らせるかで優先順位を決めてください。
関連する整備を進める
部品の作成は設備ファミリの作り方、管理者の役割は設備設計事務所のBIMマネージャー、他分野との受け渡しはモデルの受領チェックで具体化できます。
参考資料
制度・製品情報の確認日:2026年9月26日。実案件では申請先の案内と利用する製品バージョンの資料も確認してください。