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【2026年版】建築GX・DX推進事業と設備事務所が使えるBIM補助金まとめ|要件と流れ
CAD/BIMナレッジ導入

【2026年版】建築GX・DX推進事業と設備事務所が使えるBIM補助金まとめ|要件と流れ

かつてのBIM導入支援の中心「建築BIM加速化事業」は終了し、後継の「建築GX・DX推進事業」へ移行。2026年(令和8年度)時点の情報で、設備設計事務所が活用できるBIM関連補助金の支援類型・補助要件・対象経費・申請の流れを実務目線で整理します。

長谷川一夫

機械設備設計部

公開日
更新日

BIM導入にはソフト・PC・教育などまとまった初期投資が必要ですが、国の補助金を活用すれば負担を大きく軽減できます。ここで注意が必要なのは、長らくBIM導入支援の中心だった「建築BIM加速化事業」がすでに受付を終了し、後継制度の「建築GX・DX推進事業」へ移行している点です。本記事では、2026年(令和8年度)時点の情報をもとに、建築GX・DX推進事業を中心に、設備設計事務所が使えるBIM関連補助金を実務目線で整理します。

※本記事は2026年7月時点の公開情報をもとに整理しています。制度は年度ごとに見直され、登録期間や要件も変わります。具体的な金額・期限・要件は、必ず国土交通省および建築GX・DX推進事業実施支援室の公式情報をご確認ください。

建築BIM加速化事業は終了し、「建築GX・DX推進事業」へ

建築BIM加速化事業は、国土交通省が推進してきたBIM普及のための補助制度で、複数の事業者が連携してBIMデータを作成・活用するプロジェクトに対して費用を補助するものでした。BIM導入の初期コストを軽減し、中小企業を含む幅広い事業者の導入を促した点が特徴です。

ただしこの事業は2024(令和6)年度までで受付が終了し、現在は後継制度である「建築GX・DX推進事業」に移行しています。これから申請を検討する場合は、旧制度ではなく現行の建築GX・DX推進事業を前提に情報を集める必要があります。ネット上には旧事業名のままの解説も残っているため、どの制度の話かを見定めることが大切です。

建築GX・DX推進事業とは

建築GX・DX推進事業は、建築分野におけるGX(脱炭素:建築物のLCA・LCCO2削減)とDX(デジタル化:BIMの普及による生産性向上)を一体的・総合的に支援する国の補助事業です。旧・建築BIM加速化事業のBIM支援の枠組みを引き継ぎつつ、LCA(ライフサイクルアセスメント)による脱炭素の視点が加わっているのが大きな特徴です。

実施支援室の公開情報によれば、支援の類型は大きく以下の3つに分かれています。設備設計事務所に直接関係するのは、主にBIM活用型です。

  • BIM活用型:複数事業者が連携してBIMデータを作成・活用するプロジェクトの、設計調査費及び建設工事費のうち、BIM活用によるかかり増し費用を支援。
  • BIM活用型(BIM+LCA実施型):BIM活用の支援に加え、LCA実施費用を一定額まで定額補助。
  • LCA実施型:LCA(ライフサイクルアセスメント)の実施に要する費用を定額補助。

公開情報では、BIM活用型は「BIM活用によるかかり増し費用の2分の1を補助」(延べ面積に応じて補助限度額を設定)とされています。ただし金額・率・上限は年度で変化するため、具体的な数値は必ず公式の募集要項で確認してください。

主な補助要件(BIM活用型)

BIM活用型の対象となるには、公開情報上、おおむね次のような要件を満たす必要があります。いずれも年度で見直されるため、最終的な確認は公式募集要項で行ってください。

  • 元請事業者等の「代表事業者」と下請事業者等の「協力事業者」の計2社以上が連携してBIMを活用すること。
  • 各事業者が「BIM活用事業者登録制度」に登録し、補助事業完了後3年間、BIMの活用状況を報告すること。
  • 国土交通省が定める内容を盛り込んだ「BIM活用推進計画」を策定すること。
  • 元請事業者等が、整備する建築物について、維持管理の効率化に資するBIMモデルを整備する旨を宣言すること。
  • 対象建築物の規模要件(地区面積など)を満たし、BIMの活用が国定めの利用方法に該当すること。

ポイントは、この制度が「単独の事業者」ではなく「複数事業者の連携プロジェクト」を前提にしている点です。代表事業者(元請)の登録を起点に、協力事業者として参画する形が、設備設計事務所の基本パターンになります。

設備事務所が押さえるべきポイント

中小の設備設計事務所が活用する場合、単独ではなく元請けや意匠事務所とチームを組んで協力事業者として参画するケースが多くなります。自社がどの役割で参画し、どの経費が補助対象になるのかを事前に整理しておくことが重要です。申請にはBIM実施体制や成果物の提出、登録制度への対応が求められるため、日頃からの体制整備が採択の鍵になります。

また、取得物が「人に係る経費(BIMコーディネーター人件費など)」なのか「物に係る経費(ソフトウェア利用費など)」なのかによって、補助対象期間の数え方が異なる点にも注意が必要です。何が、いつからいつまで対象になるのかを、登録前に制度資料で確認しておくと、実績報告段階での手戻りを防げます。

BIM図面審査への対応費用も対象に

2026年は、建築確認におけるBIM図面審査の本格化が進む年とされています。建築GX・DX推進事業の令和8年度の公開情報では、このBIM図面審査に対応するための準備費用が新たに補助対象に含まれるとされ、モデル作成や図書・申告書の作成、社内テンプレートの整備、講習費などが幅広くカバーされる方向です。

これは、これからBIMを導入する設備事務所にとって大きなメリットです。単にソフトを導入するだけでなく、審査対応の体制づくりや人材育成(eラーニングを含むBIM講習など)までを支援の射程に入れられる可能性があるためです。ただし具体的な対象範囲は年度の募集要項で定まるため、最新の公式情報を必ず確認してください。

申請の基本的な流れ

一般的には、代表事業者の登録を起点とした二段階の仕組みで進みます。下記は典型的な流れですが、各ステップの期間や提出書類は年度で異なります。

  1. 公募・募集要項の確認(制度の対象・要件・期限を把握)
  2. 代表事業者(元請等)の登録
  3. 交付申請(プロジェクト単位で随時)
  4. 採択・交付決定
  5. BIM実施(対象経費の発生)
  6. 完了・実績報告
  7. 補助金の交付

交付申請は代表事業者登録後にプロジェクト単位で随時行う方式がとられてきました。登録期間には締め切りがあり、過去の回では年度末に登録、翌年度にかけて交付申請・実施というスケジュールで運用されています。公募期間が短いことも多く、公募開始前から体制を整えておくとスムーズです。

申請前チェックリスト

併用に関する注意

補助金は、同一経費に対して他の国庫補助と併用できないのが原則です。一方で、対象経費が異なる制度(例:人材育成系の助成金など)とは併用できる場合があります。例えばBIM講習(eラーニング)の受講を、人材開発支援助成金と組み合わせて活用するといった使い方が紹介されることもありますが、併用可否は制度ごとの規定によるため、事前に各制度の要項で確認が必要です。

よくある質問(FAQ)

建築BIM加速化事業はまだ申請できますか?

建築BIM加速化事業はすでに受付が終了し、後継の「建築GX・DX推進事業」に移行しています。これから申請を検討するなら、現行の建築GX・DX推進事業の募集要項を確認してください。

設備事務所が単独で申請できますか?

BIM活用型は、代表事業者(元請等)と協力事業者の計2社以上の連携が前提です。設備事務所は多くの場合、元請けや意匠事務所とチームを組んで協力事業者として参画する形になります。

補助額はどのくらいですか?

BIM活用型は、公開情報上「BIM活用によるかかり増し費用の2分の1を補助」とされ、延べ面積に応じて補助限度額が設定されています。ただし具体的な上限額や率は年度で変わるため、必ず最新の公式募集要項でご確認ください。

まとめ

かつてBIM導入支援の中心だった建築BIM加速化事業は終了し、現在はGX(脱炭素・LCA)とDX(BIM)を一体的に支援する「建築GX・DX推進事業」が後継制度となっています。設備事務所に関係するのは主にBIM活用型で、複数事業者の連携・登録制度への対応・完了後3年間の報告が前提になります。

補助金は設備事務所のBIM導入コストを大きく下げるチャンスですが、制度は年度で変わり、登録期間も限られます。2026年はBIM図面審査の本格化に向けた準備費用が対象に含まれるなど、支援範囲の拡充も進んでいます。最新の公募情報を押さえ、早めの体制整備で採択の可能性を高めましょう。なお、具体的な金額や要件は、国土交通省及び建築GX・DX推進事業実施支援室の公式情報を必ずご確認ください。