設備設計者が取るべきBIM関連資格ガイド|難易度・費用・実務での価値
CAD/BIMナレッジ導入

BIM資格一覧|費用・受験条件と設備設計者に合う資格の選び方

BIM利用技術者試験の2級・準1級・1級と、Revitの設備向け認定を比較。個人受験料、受験条件、英語対応、試験形式、2026年度の受付状況を整理し、建築BIMと土木BIM/CIMを分けて目的に合う資格を選ぶ方法を解説します。

長

長谷川一夫

機械設備設計部

公開日
更新日

BIM資格を選ぶときは、「BIMの共通知識を学びたい」「Revitで設備を扱う力を示したい」「土木BIM/CIMの業務を担当したい」のどれに近いかを決めましょう。同じBIMという名前でも、試験が扱う分野と証明する能力は異なります。

以下は2026年10月8日時点の公式情報です。BIM利用技術者試験の2026年度1級・準1級は受付・試験実施が終了しており、2級は年度内の随時受験が案内されています。

BIM資格は目的と分野で選ぶ

学びたいこと・示したい能力

主な選択肢

選ぶ際の注意

BIMの考え方と業務で使う共通知識

BIM利用技術者試験2級

ソフト操作の実技試験ではない

建築モデルを作成し、図面等へ展開する力

BIM利用技術者試験準1級・1級

意匠系を想定した試験で、設備設計の専門能力とは範囲が異なる

Revitで機械設備・電気設備を扱う知識

Autodesk Certified Professional(ACP)

MechanicalとElectricalは別試験。英語と実務経験を考慮する

土木事業のBIM/CIM管理

BIM/CIM管理技士

土木業務の知識・経験を扱う。建築設備の入門資格とは分けて検討する

仕事に近い資格を選ぶには、採用情報や社内の担当業務から、使用ソフトと求められる成果物を先に確認するのが有効です。仕事内容の整理には、BIMオペレーターの業務とキャリアも役立ちます。

BIM利用技術者試験:級・受験条件・費用

一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)の試験です。2級は知識を問う試験、準1級・1級はソフトを使う実技試験に分かれます。

級

内容・時間

受験資格

個人受験料(税込)

2級

筆記60問・60分。個人はCBT

制限なし

8,800円

準1級

モデリング等の実技・240分

2級合格者

14,300円

1級

モデル編集・図面等への展開の実技・240分

2級、準1級または1級合格者

20,900円。準1級・1級合格者は14,300円

上級を受けるには、申込み時点で前提資格の認定番号が必要です。準1級から順番に進まなくても、2級合格者は1級へ申し込めます。認定会場での団体受験は料金・条件が異なります。ACSP試験概要

2026年度の変更点と受付状況

1級・準1級は、2026年度から実技の提出モデルがIFC2x3形式となっています。2級でIFCモデルを提出するわけではありません。実技では使えるソフトと対応版を確認し、モデル作成だけでなく、指定形式への出力と提出まで準備してください。

2026年度の1級・準1級の個人試験は9月6日に実施済みです。当面は年1回の開催とされており、次の受験は新たな年度の案内を確認します。2級の申込みは2027年3月15日まで、試験は3月31日までの案内ですが、会場ごとの実施日・空席により予約できる日が異なります。ACSPの受験案内

Revitの設備向け認定:MechanicalとElectrical

Autodesk Certified Professionalには、Revit for Mechanical DesignとRevit for Electrical Designがあります。前者は機械設備、後者は電気設備に関するRevitの知識を対象とします。

項目

Mechanical Design

Electrical Design

主な範囲

機械設備システム、モデル、ファミリ、設計図書など

電気系統、コネクタ・ファミリ、ビュー、共同作業など

公式の経験目安

Revitの実務経験400〜1,200時間程度

Revitの実務経験400〜1,200時間程度

試験

120分・45〜60問

120分・45〜60問

受験料

標準小売価格US$200

標準小売価格US$200

言語

試験・監督とも英語

試験・監督とも英語

有効期間

3年。更新には再受験が必要

3年。更新には再受験が必要

出典:Mechanical Design公式、Electrical Design公式。

経験時間は準備度の目安で、学習時間を保証する数値ではありません。また、Pearson経由の試験はソフトを起動して作業する形式ではなく、選択式などの設問に回答します。受験はテストセンターまたはオンラインの選択肢があり、利用できる日時・環境は予約時に確認します。日本円の支払額は決済時の条件によるため、US$200を固定の円価格として扱わないでください。

Autodesk Certified User(ACU)との違い

ACUは基礎的な利用能力を示す認定です。CertiportのRevit試験には「Revit for Architecture」と明記されており、設備ACPと同じ出題分野ではありません。受験できる版・言語・会場を確認し、設備業務への直接の適合性も見て選びます。Certiport公式試験案内

初めてRevitを使う段階なら、資格の申込みを先に決めるより、Revitの基本操作から、自分の担当範囲に必要なモデルと図面を作ってみる方法もあります。

BIM/CIM管理技士は土木の資格として確認する

BIM/CIM管理技士は、日本建設情報技術センター(JCITC)が実施する資格制度です。土木BIM/CIMに関する専門知識、基準・要領、実務経験を扱います。建築の設備モデルを作れることだけを示す資格ではありません。主催者の資格説明

主催者は2026年6月28日に実施した試験を「2025年度」と表記しています。実施年と試験年度を混同せず、次回の受験資格・申請書類・試験費用・登録費用を最新の受験手引きで確認しましょう。試験合格後の登録も必要です。実施結果、登録制度の案内

難易度は、試験範囲と今の経験の差で考える

資格名だけの難易度ランキングでは、自分に必要な準備は分かりません。学習を始める前に、次の3点を確認してください。

  • 知識の不足:BIMの用語、工程、情報の受け渡しを説明できるか。
  • 作業の不足:指定モデルの作成・修正・出図・書き出しまで完了できるか。
  • 受験環境の不足:試験言語、ソフトの版、PCや通信、必要な前提資格を満たせるか。

学習用モデルを一つ決め、何を変更し、どの図面や集計に反映されたかを記録すると、理解が曖昧な部分を見つけやすくなります。設備では、見た目に加えて系統・接続・属性の確認も練習します。案件データを成果物として公開する場合は、公開できる範囲を事前に確認してください。

設備設計者は最初にどの資格を選べばよいですか?

BIM全体の知識を整理するなら2級、Revit設備の経験を示したいなら担当に合うACPが候補です。意匠系の実技資格を選ぶ場合は、設備業務との違いを理解したうえで学習目的を決めましょう。

資格があれば実務を任せてもらえますか?

資格は試験範囲の能力を示す材料です。実務では担当したモデル・図面、チェック方法、変更対応、他分野とのやり取りも見られます。取得した資格名に、自分がどの作業を担当できるかを添えると、役割を伝えやすくなります。