
設備設計者が取るべきBIM関連資格ガイド|難易度・費用・実務での価値
設備設計者に役立つBIM関連資格を、難易度・費用・実務での価値の観点から整理。Autodesk認定(MEP向けProfessionalを含む)、BIM利用技術者試験、BIM/CIM管理技士など主な資格の種類と選び方、取得のメリットを解説します。
長
長谷川一夫
機械設備設計部
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BIMスキルを客観的に示す手段として、資格の取得を検討する設備設計者が増えています。ただしBIM関連資格は種類が多く、ソフトベンダーの認定から国内の検定まで幅広く、どれを選べばよいか迷いやすいのが実情です。本記事では、設備設計者に役立つBIM関連資格を種類・難易度・費用・実務での価値の観点から整理します。
※資格の名称・試験区分・受験料・日程は年度で変わります。最新情報は各資格の公式サイトで必ずご確認ください。
BIM関連資格の主な種類
BIM関連の資格は、大きく「ソフトベンダーが提供する認定」「国内の団体が実施する検定」「土木分野の登録資格」の3つに分けられます。設備設計では、自社で使うソフトや目的に合わせて選ぶことが大切です。
1. Autodesk(オートデスク)認定資格
Revitを提供するAutodeskの認定は、大きく初級向けと上級向けの2段階に分かれます。
- Autodesk Certified User(認定ユーザー):Revitなどの基本知識・操作技術を証明する初級向け。基礎を体系的に固めたい初学者や、就職・転職で基礎を示したい人に向く。
- Autodesk Certified Professional(認定プロフェッショナル):実務レベルのモデリング・ドキュメント・連携能力を問う上級。建築設計向けに加え、設備(Mechanical)や電気(Electrical)向けの専門試験も用意されています。
設備設計者にとって注目したいのは、Revit for Mechanical Design(設備)やElectrical Design(電気)のプロフェッショナル認定です。意匠設計中心の資格とは別に、MEPのシステムモデリングや分析に焦点を置いているため、設備の実務との相性が良いのが特徴です。上級の認定は一定の実務経験を前提にしており、相応の準備が必要です。
2. BIM利用技術者試験(国内の検定)
BIM利用技術者試験は、CAD利用技術者試験を手がける一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)が実施する、国内のBIM向け検定です。特定ソフトに依存しすぎない形でBIMの知識や利用技術を問うもので、国内の学習リソースや受験体制が整っている点がメリットです。
なお、この試験は2026年度試験よりIFCデータの提出が必須化されるなど、内容は随時アップデートされています。受験を検討する際は、最新の試験区分やスケジュールを公式サイトで確認してください。
3. 土木分野の登録資格(BIM/CIM管理技士)
土木分野では、2024年に新設された「BIM/CIM管理技士」が国土交通省の登録資格として認定され、需要が拡大しています。設備設計(建築分野)が直接の対象ではありませんが、インフラ分野や公共案件に関わる場合は、こうした登録資格の動向も把握しておくと良いでしょう。
難易度と費用の目安
資格によって難易度や受験費用は大きく異なります。大まかな目安としては、次のような層に分けて考えると選びやすくなります。
- 入門・基礎層:Autodesk Certified UserやBIM利用技術者試験2級など。ソフト操作やBIMの基礎知識が中心で、比較的取り組みやすい。
- 実務・上級層:Autodesk Certified Professionalなど。実務レベルのモデリング能力が問われ、一定の実務経験や準備が前提になる。
受験料や試験日程は資格・年度で変わるため、必ず各資格の公式情報で確認してください。上級の資格ほど学習コスト(時間・費用)がかかる傾向にあるため、自社のレベルや目的に合わせて、まずは基礎層から段階的に狙うのが現実的です。
目的別の選び方
- Revitを実務で使う(使う予定) → Autodesk認定。設備・電気ならMEP向けのProfessionalを目標に。
- ソフトに依らずBIMの基礎を固めたい → BIM利用技術者試験(国内検定)。
- 未経験・初学者で基礎を示したい → Autodesk Certified Userなどの入門層。
- インフラ・公共案件に関わる → BIM/CIM管理技士などの登録資格の動向も確認。
基本は、自社で使う(これから使う)ソフトに対応した資格を選ぶことです。資格のための資格にならないよう、日々の実務で使うツールと揃えるのが、学習効果と実務への活かしやすさの両面で最も効率的です。
実務・採用での価値
資格はそれ自体で仕事ができることを保証するものではありませんが、学習の指針となり、採用や転職の場でスキルを客観的に示す材料になります。特に、BIMを本格導入したばかりの企業では、候補者のスキルを見定める基準がまだ少ないため、資格が一つの目安として機能します。
ただし最大の価値は、資格単体ではなく「設備の実務経験との掛け合わせ」にあります。設備の知識を持った人がBIM資格を合わせて持つことで、単なるオペレーターではなく「設備を理解したBIM人材」としての市場価値を高められます。
よくある質問(FAQ)
BIMの仕事に資格は必須ですか?
必須ではありません。BIMの実務に就くのに特別な資格が必要なわけではなく、実務経験が最も重視されます。ただし資格は学習の指針になり、未経験者や転職希望者がスキルを客観的に示す手段として有効です。
設備設計者はまずどの資格がいいですか?
自社でRevitを使うなら、まずAutodesk Certified Userで基礎を固め、実務経験を積んでから設備(Mechanical)向けのProfessionalを目指すのが一つの王道です。ソフトに依らずBIMの基礎を固めたいなら、国内のBIM利用技術者試験も選択肢です。
受験料や試験日程はどこで分かりますか?
受験料・日程・試験区分は年度で変わるため、必ずAutodeskやACSPなど各資格の公式サイトで最新情報を確認してください。本記事の内容も目安としてご参考ください。
まとめ
BIM関連資格は、学習の指針とスキル証明の両面で役立ちます。Autodesk認定(初級のUserと上級のProfessional、MEP向けを含む)、国内のBIM利用技術者試験、土木分野のBIM/CIM管理技士など、目的と分野に応じた選択肢があります。
選ぶ際は、自社の使用ソフトやレベルに合ったものを選び、設備の実務経験と掛け合わせることで価値が高まります。まずは基礎層から始め、実務に合わせて上級へと段階的に目指しましょう。なお、具体的な費用・日程・試験区分は、各資格の公式情報を必ずご確認ください。