
Autodesk Formaとは?旧ACCとの関係・製品名の変更・BIMでの使いどころ
Autodesk Formaと旧Autodesk Construction Cloud(ACC)の関係を2026年の公式発表に基づいて整理。DocsやBIM Collaborate Proの名称変更、Site Designとの違い、BIMの情報共有で確認したい契約・権限・運用のポイントを解説します。
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猪狩理
設備設計士
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Autodesk Formaは、企画・設計・施工・運用をつなぐAutodeskのクラウド基盤です。2026年3月24日の公式発表で、Autodesk Construction Cloud(ACC)がAutodesk Formaへ名称変更されたことが示されました。「Formaは初期設計のための製品」という以前の理解だけでは、現在の製品体系を捉えきれません。
この記事では、名称の整理と、BIMの情報共有で何を確認すればよいかを解説します。既存プロジェクトの移行操作を一律に指示するものではなく、利用している製品・契約・案件ごとに確認するための入門ガイドです。
ACCとFormaの関係
Autodeskは2026年3月24日の公式発表で、ACCをFormaの名称へ統合する方針を説明しています。設計と施工を含む建物のライフサイクルを、一続きの情報の流れとしてつなぐ位置づけです。
そのため、検索結果や過去の資料では「ACC」、現在の画面や新しい説明では「Forma」という名称に出会うことがあります。名称が違うという理由だけで別の仕組みと判断せず、対象の製品と機能を照合しましょう。
主な旧名称と現在の名称
Autodeskの2026年3月製品更新情報では、次の名称変更が案内されています。
- Autodesk Construction Cloud → Autodesk Forma
- Autodesk Docs → Forma Data Management
- Autodesk BIM Collaborate Pro → Forma Design Collaboration
- Autodesk Build → Forma Build
- Autodesk Takeoff → Forma Takeoff
これは名称の対応を理解するための一覧です。すべての契約で利用できる機能が同じ、追加契約が不要、あるいは全プロジェクトが同じ状態になっていることを意味するものではありません。発注書や社内マニュアルを更新する際は、契約中の製品名と実際の利用権を確認してください。
Forma Site Designとの違い
Formaという名称の中には、複数の役割を持つ製品があります。初期計画や敷地・建物配置の検討に関わるのがForma Site Designです。AutodeskのSite Design解説では、敷地計画、概念設計、初期の環境解析などに利用する製品として説明されています。
一方、図面やモデルの共通データ環境に関わるのがForma Data Managementです。Formaの公式ヘルプでは、Data Managementを共通のデータ環境として各製品がつながる構成が示されています。
「Formaを入れたい」という相談は、まず「敷地の計画案を比較したい」のか「図面とモデルの最新版を共有したい」のかに分けると、必要な製品を調べやすくなります。
BIMでの使いどころを三つに分ける
1.図面・モデルの置き場所をそろえる
メール、共有フォルダ、個人のPCに情報が分散していると、どの図面をレビューしたのか分かりにくくなります。共通のデータ環境を整える際は、置き場所だけでなく、作業中・共有用・確定版の扱いも決めます。
例えば同じ図面番号でも、社内確認中のものと施工側へ渡したものを区別します。クラウドに置けば自動で正しい版だけが使われると考えず、誰がどの状態へ進めるかを明確にします。
2.設計者同士でモデルの更新を共有する
共同作業の仕組みでは、モデルの更新をどの時点で他分野へ共有するかが重要です。設備担当が意匠側のモデルを参照するときも、作業途中の変更なのか、調整用として共有された版なのかで扱いが変わります。
必要な共同作業の機能と利用権を確認し、共有時刻、更新通知、修正の窓口を決めて運用します。Revitとの連携も、製品名だけでなく、使用版と必要な作業から確認してください。
3.指摘と回答を追跡する
レビューでは、問題箇所、担当者、回答、修正確認をつないで記録することが大切です。モデル上で見つけた問題を、会議の口頭指示だけで終わらせない流れを考えます。
「誰が直すか」だけでなく、「誰が直ったことを確認するか」も決めます。使用する製品でどのように記録できるかを確かめ、小さな案件で手順を試してから広げると運用を調整しやすくなります。
導入・見直しで確認する五つの項目
- 利用目的:資料共有、共同設計、モデル調整、施工管理のどれを改善するか。
- 契約と権限:管理者、編集者、閲覧者が必要な操作を行えるか。
- 情報の区分:社内作業中の情報と、社外へ共有する情報をどう分けるか。
- 版と承認:何を最新版とみなし、誰が共有・確定の判断をするか。
- 終了時の受け渡し:案件終了後に必要なデータと記録を、誰が保管するか。
最初の検証では、図面やモデルを少数に絞り、「担当者が更新する→相手が確認する→指摘する→修正を確認する」までを一巡させます。単にファイルをアップロードできたかより、業務の受け渡しが完了できるかを見ることが大切です。
BIM 360を使っている場合は?
BIM 360、ACC、Formaという名称だけから、個別案件の移行要否や期限を決めないでください。契約管理者に、利用中のBIM 360製品、対象プロジェクト、継続利用の案内、移行先の要件を確認します。
移行が必要な場合も、プロジェクトの途中でデータの場所だけを変えるのではなく、権限、リンク、承認の記録、外部協力会社の参加方法を含めて計画します。具体的な手続きは、Autodeskからの契約・製品別の案内に従います。
よくある質問
ACCの記事はもう参考になりませんか?
以前の名称で説明されている資料もあります。考え方の参考にするときも、現在の製品名、操作画面、契約上の利用範囲と照合してください。
Formaを契約すればすべての機能が使えますか?
Formaは複数の製品・機能を含む体系です。必要な機能がどの製品に含まれ、誰に利用権が必要かを契約条件で確認します。
Revitの代わりになるのでしょうか?
クラウドの情報共有と、担当分野の詳細モデルを作成する作業は分けて考えます。実際の設計フローは、Revit MEPの対応範囲も参照しながら、利用する製品同士の役割を整理してください。
公式資料の確認日:2026年9月21日。名称・製品構成・契約条件は更新されるため、利用開始時に公式情報を再確認してください。