
AutoCAD MEPからRevitへ移行する手順|既存図面・設備オブジェクトの扱い
AutoCAD MEPからRevitへ移行する際に、参照するDWGと再作成する設備要素を整理。形状変換の限界、部品・属性の移行、代表案件の試行、併用時の版管理を解説します。
長
長谷川一夫
機械設備設計部
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AutoCAD MEPからRevitへ移行するときは、DWGを読み込むことと、Revitの設備要素として作成することを分けて考えます。既存の設備オブジェクトが、読み込みだけで同じ接続・属性・編集機能を持つRevit要素になるとは限りません。
移行する目的を決め、参照に使う資産と再作成する資産を整理すると、必要な工数を見積もりやすくなります。本記事はAutoCAD MEPの設備オブジェクトとDWG資産を持つ担当者向けの移行手順です。
DWGの参照と設備モデルの作成を分ける
RevitではDWGをモデルへ読み込み・リンクして利用できますが、DWGをネイティブに開いて編集・保存するAutoCADと同じ使い方ではありません。背景図として参照するのか、設備モデルを新たに作るのかを先に決めます。
Autodeskの案内では、AutoCAD MEPの要素を通常のAutoCAD要素や3Dソリッドに変換する方法、IFCを介する方法が説明されています。ただし、形状が表示されることと、Revitの設備系統として接続・集計できることは別です。
既存資産を4種類に分類する
資産 | 移行の考え方 | 検証すること |
|---|---|---|
過去のDWG図面 | 参照・記録として残すか、今後修正するかを分ける | 表示、座標、単位、レイヤの扱い |
AutoCAD MEPの設備要素 | 形状参照とネイティブ要素への再作成を区別 | 接続、系統、属性が必要用途を満たすか |
部品・記号 | Revitファミリやタグとして再整備する範囲を決める | カテゴリ、接続位置、図面表現 |
仕様・標準 | 共通の情報をパラメータやテンプレートへ整理 | 項目の意味、単位、入力元、出力先 |
すべての過去案件を一括変換する前に、現在進行中の案件と今後再利用する資産を選びます。過去図面は参照で十分な場合もあり、必要な範囲を再作成するほうが管理しやすいことがあります。
最初の移行テスト
- 成果物を決める:Revitモデル、図面、機器表、交換データの何が必要かを整理する。
- 代表範囲を選ぶ:直管だけでなく、継手、分岐、機器接続、図面注記を含める。
- 元データを保全する:変換や整理は作業用の複製で試し、元の図面と版を残す。
- 参照データを取り込む:単位、座標、階、高さ、表示を確認する。
- 必要な設備を作成する:Revitのファミリ、配管、ダクト等で要求を満たす構成を作る。
- 変更と出力を試す:機器位置・仕様を変え、図面・集計・交換データを確認する。
変換した形状をそのまま使う場合は、その用途を明示します。干渉確認の参照には使えても、システム計算や接続の編集には別の作成が必要になる場合があります。
設備オブジェクトで確認する情報
確認対象 | 見るべきこと |
|---|---|
機器 | カテゴリ、機器番号、能力、接続位置 |
配管・ダクト | サイズ、経路、高さ、系統、接続 |
継手・分岐 | 形状だけでなく実際に必要な編集ができるか |
属性 | 元の値とRevit側の項目・単位が一致するか |
図面 | 記号、線、注記、縮尺、機器表が使えるか |
旧環境の属性名をそのまま複製する前に、自社と受け手が何を必要としているかを確認します。同じ意味の項目が複数できると、後から集計や変更管理が難しくなります。
ファミリとテンプレートを並行して整える
頻繁に使う機器から、形状、コネクタ、属性、タグと集計の対応を整備します。メーカーや公開ライブラリの部品を使う場合も、採用するバージョンと自社標準で動作を確認してください。
図面枠、ビュー、集計表、出力設定も必要です。詳細は設備BIMテンプレートの整備と設備ファミリの作り方を参照してください。
併用期間は正本と更新担当を決める
移行中にAutoCAD MEPとRevitの両方を使う場合は、どちらのデータを設計変更の起点とするかを決めます。同じ設備を両方で別々に修正すると、図面とモデルの不一致が起きやすくなります。
案件や成果物ごとに、作成元、変更依頼先、再出力担当、確認者を記録します。旧環境で継続する範囲と、新環境へ移す範囲の境界も明示してください。
全体移行の判断に必要な結果
試行では準備、作成、変更、確認の時間を記録し、再利用できる標準と毎回残る補正を分けます。必要な成果物を出せる、受け手が使える、別担当者が修正できるという条件を確認してから対象を広げます。
移行費の整理は設備BIM導入費用、段階的な展開は小規模事務所のBIM導入計画を参考にしてください。
参考資料
制度・製品情報の確認日:2026年9月26日。実案件では申請先の案内と利用する製品バージョンの資料も確認してください。